精神科Q&A

 【1353】うつからの回復(【1117】のその後)


Q【1117】学生に嫌われているという思いから抜けられず、とてもつらいですで回答をいただいたものです。
ありがとうございました。その後の経過をお知らせします。

【1117】のメールを出す一ヶ月前に、心療内科を受診したのですが、結論から申し上げますと、カウンセリングと服薬を続けて発病後8ヶ月が経ち、どうにか学年末を迎え、長期休暇に入りまして一息つきましたところで、抑うつ状態から解放されました。

その間も「学生から嫌われている」という思いはなかなか抜けきれないものでしたし、なかなか授業準備がはかどらなく辛い思いをしましたが、徐々に薄らいでいったように思います。仕事への意欲は発病後6ヶ月あたりから、出てきたように思います。

その後、新学期が始まりましたが、仕事量は増やさずに(このように自由裁量が効く仕事のやり方をさせていただいてることに、周囲の方々に感謝するばかりです)働いているためか、どうにか続けています。もともと感情の起伏が激しく、一喜一憂しやすい性格ですので、落ち込むこともありますがどうにかやり過ごすようにしています。

林先生からは「抗うつ薬」の必要についてご心配をいただきましたが、どうにか抗不安薬で乗り切ることができました。
恐らく、さほど深刻な状況ではなかったのかと思います。ですが、深刻な鬱の闇に陥った日のことは忘れもしません。倒れた当日の朝、不調を感じて心療内科に電話をかけたものの予約が一杯で診察が受けられないととわかったときの絶望感。
2日を経てやっと先生にみていただき、「休養をとるべき」と即断していただいたときの安堵感。もしあのときに受診していなければ、今生きていたかどうかわかりません。ですが、考えてみれば倒れるまで自分を追い詰めてしまわずに、早期に受診することも可能だったかな、とも思います。僭越ですけれども、辛い方々は、とにかく早く受診され薬をいただくことが何にもまして大事だと思っています。

兄弟ともうつの傾向があり、季節によって気分の変調に悩まされているのを見ていますし、うつは再発の危険の高い病気とも聞きますが、心療内科と仲良くしつつ(笑)、あまり再発をおそれず淡々と暮らしたいと思っています。林先生にもお心のこもった回答をいただき、感謝しています。ありがとうございました。


林: 経過をご報告いただきありがとうございました。回復し、お仕事への意欲も出てこられたご様子、何よりと思います。

林先生からは「抗うつ薬」の必要についてご心配をいただきましたが、どうにか抗不安薬で乗り切ることができました。

少ない薬の種類と量で回復したのは、非常に良いことでした。お書きになっているように、休養の効果もかなり大きかったことと思います。

けれども、せっかく回復された現在、心配の種を作ってしまい恐縮ですが、事実をお伝えするという本サイトの方針に従って申し上げますと、あなたは将来再発する可能性が高いと思います。その時はぜひ最初から抗うつ薬の治療を受けられることをお勧めします。それが回復への最善の方法だからです。


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