精神科Q&A

 【1279】夫がうつ病になり、そして治りましたが、私は・・・(【1124】のその後)


Q 【1124】うつ病の治療を始めて4 年になりますが良くなりません。このまま治療を続けるべきでしょうか? でご相談させて頂いた者です。その節は、ありがとうございました。

先生が【1124】のご回答の中で、「うつ病は治ります」と繰り返し仰って下さったことと、はっきりとした指示を与えて下さったことに感謝しております。
その後色々あり、うつ病の診断を受けて既に5年を過ぎましたが、現在の状況と共に、この内容の一部がうつ病に苦しむ方々にとって幾らかでも励ましとなるのではないかと思い、ご報告させて頂くことにしました。 

「私は、これからどうすればよいのでしょうか・・・?」という問いに対し、「病院を変え、適切な治療を受けてください。うつ病は、治ります。」との明確なご回答を頂きましたので、他の病院を探し始めましたが、近くに (自力で定期的に通える範囲内に) 精神科の病院がなく、主人の休みの土曜日に送り迎えしてもらうことで検討していた矢先に、それまで私を心身両面で支えてくれていた主人が、職場での深刻な人間関係のトラブルに巻き込まれ、体調を崩してしまいました。 

眠れない、食べられない(朝・昼は殆ど食べず、夕食も普段の半分程度で、10日間で3kg痩せました)、体の重だるさ、生気がなく意欲が著しく低下、頭痛や下痢、希死念慮(「楽に死ねる薬が欲しい」等)などの症状が一度に現われ、私は自分自身の経験から見当をつけ、とりあえず自分の主治医のところへ連れて行きました。 

診断は「きれいな(典型的な)うつ病です」といわれ、心身ともに疲労し切って危険なこと・強い希死念慮がある などの理由で「即入院」を勧められ、入院設備がないため、家から車で40分ほどかかる精神科専門の大きな病院に入院となりました。
(これは私の勝手な推測ですが、主治医の側に、強い希死念慮を持つ うつ病患者二人きりの生活では、"共倒れ"になり、最悪心中という結果もあり得るとの危惧もあったのではないか、と思います) 
その際、私の主治医にも、入院先の(主人の)主治医にも「3〜4ヶ月の入院で治ります。大丈夫です」とはっきりと言われました。

私は、自分が5年も治療してよくならないのに、本当に?と疑いを持っていましたが、入院後2ヶ月目頃から主人の表情に生気が戻り始め、毎週面会に行くごとに回復してゆくのがはっきりと分かりました。
詳細な経緯は省きますが、結局4ヶ月で主治医の言葉どおり回復(まだ「完治」ではありませんが、「寛解」かそれ以上の状態だと思います)し、退院しました。 

私の場合と違い急性の単純な鬱であったことや、すぐに入院治療をしたことなどが幸いしたと素人ながら思いますが、主人の回復してゆく過程を実際に見て、「うつ病は治る」という先生のお言葉は確かにその通りであると実感致しました。
「適切な治療を受ければ本当にうつ病は治る」のですね。
この主人の経験が、うつ病に苦しむ方々への幾ばくかの励みになれば幸いです。 

 主人の話が先に来てしまいましたが、思いもよらず主人がうつ病で入院、という事態になってしまったため、病院を変えることは当面不可能となり、元の主治医に引き続き通院していましたが、4ヶ月に及ぶ一人暮らし、毎週の面会(遠くて自力では行けないので、その都度友人に送迎をお願いしなければならず、週一回が限度でした)、また、主人の病気の引き金となった職場でのトラブルを理由に結局入院中に解雇されてしまい、弁護士との相談をしなければならなくなったことなど色々な問題が重なり、私のほうも心身両面で疲れ切ってしまい、自分自身の病状は確実に悪化してしまいました。 
現在は、体調が非常に悪く、殆ど一日中寝たり起きたりで、通院や買い物も自分では行けません。家事も多くの部分で主人に依存しています。
また、うつ病も、いまだ希死念慮に悩まされ、残念ながら回復には程遠い状態です。
良い報告が出来なくて、申し訳ありません。 

 しかし、主人もまだ当分は通院治療を続けなければなりませんし、もう自分で運転しなくても良い(主人が運転するので)ことにもなり、状況が整いましたので、これをきっかけに転医し、主人と共に新しい病院で治療を続けてゆくことになりました。 

 以上、自分の経過の報告とは程遠い内容になってしまいましたが、現在の状況をお伝えさせて頂きました。
先生の明確なご指示と、「うつ病は治ります」と繰り返し励まして?頂いたことに感謝しております。
いつか、「うつ病が治りました」とのご報告が出来れば、と願っております。


林: 経過をご報告いただきありがとうございました。まだあなた自身の回復が充分でない時期に、このようにまとまった文章をお書きするのは大変だったかとお察しします。あらためてお礼を申し上げます。
ご主人様が思いもかけずうつ病を発症し、あなた自身の回復が遅れたのは残念なことですが、まずはご主人様のうつ病が順調に経過し何よりと思います(症状も回復経過も典型的のようです)。
そのサポートがお出来になったことから、あなた自身の回復へのエネルギーも充分にあると推定できます。治るまであと一歩だと思います。

いつか、「うつ病が治りました」とのご報告が出来れば、と願っております。

お待ちしています。



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