精神科Q&A

 【1250】うつ病かと思い受診したのですが、医師から「性格的なものだ」と言われました。納得できません


Q:  21歳女性です。現在介護職に就いています。自分がうつ病なのかどうかで悩んでいます。

先日、思い余って精神科を受診したのですが「性格的なものだと」言われ、どこか納得できないでいます。なんとなく自分を否定されたような気がして、次の診察日を予約しないまま帰ってきてしまいました。林先生の率直なご意見を伺いたく、メールさせていただいております。よろしくお願いします。

私は、小学校低学年頃から以下のような症状や考えと付き合ってきました。
もともと気が弱く、友達も少なかったのですが、そもそものきっかけは小学二年生から六年生の間の担任の先生が、宿題や教科書など勉強道具を忘れると必ず体罰があったり、毎日一、二時間は怒っていて授業が進まないことにストレスを感じていたことからでした。
私の性格は、真面目で責任感が強く、人当たりがよくて優しいと人にはよく言われます。

症状
(1) 常に憂鬱で気持ちが沈んでいる。罪悪感があり、些細なことで失敗すると更に気が沈む。
(2) 常に何かに対する不安がある。不安の正体がわからないこともある。
(3) この先に希望が持てず、死にたい・消えたいと思う。
(4) 喜怒哀楽の表現が億劫になった。気持ちが動かず、泣いたり笑ったりするのに物凄い労力を使う。表情が平坦で、こわばった感じがする。
(5) 朝は常に気持ちが沈むが、夕方になると少しずつ回復する。
(6) 不安感で休日も気が休まらず、楽しむことが出来ない。
(7) 家にいても休まらず、家族の声を聞くだけで苛々する。
(8) 常に自責感があり、自分はいないほうがいいと思う。
(9) 頭がもやもやしてすっきりしない。考え込むことが多く、疲れてしまうが考えることをやめることができない。
(10) 今まで楽しめたことが楽しめなくなった。するのも億劫である。
(11) 昔の失敗を生々しく思い出して、激しい自己嫌悪になる。叫びたい、自分を傷つけたい衝動に駆られる。
(12) 人の言うことが信じられない。
(13) 人との接し方を忘れてしまったようで、人との会話のリズムがつかめず話を遮ってしまったり、気をつけていたはずの上司との接し方も上手くできなくなった。
(14) 数秒前の記憶が途切れてパニックになる。
(15) 集中力、注意力が散漫になった。努力しても人の話が頭に入らない。
(16) 自分のことであってもどこか他人事で、自分を空から見下ろしてる感じがする。
(17) 性行為をするのが億劫になった。
(18) 何かに追われていて、逃げ出したいが逃げられない。
(19) 自分がきらいでしょうがない。
(20) 起き抜けがすっきりせず、睡眠時間に関わらずいつも眠たい。
(21) 度を越していらいらしてしまう。
(22) 人と目を合わせられない
(23) いつも疲れている。
(24) 仕事忘れや、何か忘れ物がないか執拗に確認してしまう。しないと、恐くて仕方がない。
(25) 仕事中、「自分はもうだめだ」、「今の仕事を辞めなければ死んでしまう」という考えがぐるぐるまわっている。
(26) 人の中にいると疲れる。
(27) 自分の素を誰にも見せられない。
(28) 動きが鈍くなり、何もしたくなくなった。
(29) 気分転換ができない。
(30) 判断力の低下
(31) 注目されると身体が熱くなる。
(32) 少しでもストレスや精神的な圧迫を感じると、首や肩の凝り、胃痛、頭痛、吐き気、息苦しさ、圧迫感、咽喉になにか詰まったような感覚などの症状に襲われます。

今年の4月から新しい職場(特養です)に変わり、その頃から一ヶ月以上上記の症状がひどくなりました。

具体的には先生からは、「もともとの性格があって、それが社会にでたことで上手く適応できずに症状がでてきている。病気ではない」と言われました。薬ではなく、カウンセリングでどうにかなる範囲だと。

「あなたはうつ病だ」と言われたかったわけではないのですがどこか釈然とせず、病院にいくのが恐くなりました。
結局周りに甘えていただけなのかと思うと悲しくて、また死にたくなります。
私は擬態うつ病にあたるのでしょうか?

このままカウンセリングを受けに行ったほうがよいのでしょうか?
病院を変えたらよいのでしょうか?
自分や周りに甘えてはいけないと言い聞かせて仕事に励むべきなのでしょうか?
どうすればいいのか分からなくなりました。
よろしくお願いします。
.

林: 箇条書きにされている項目は、どれもうつ病の症状として矛盾はないものです。
けれども、あなたがうつ病かどうか、判断できません。
理由は【1226】と同じで、このような項目のプラスマイナスからは、病名は決してわからないからです。精神科の診断というものはそういうものではないのです。もっと具体的な描写が必須です。うつ病に関していえば、擬態うつ病の110ページにお書きした通り、チェック項目だけに基づいて診断しようとすると、うつ病と擬態うつ病は区別がつかないのです。

「あなたはうつ病だ」と言われたかったわけではないのですがどこか釈然とせず、病院にいくのが恐くなりました。

メール全体からは、うつ病だと言われたかったようにしか読み取れません。そして、

先日、思い余って精神科を受診したのですが「性格的なものだと」言われ、どこか納得できないでいます。なんとなく自分を否定されたような気がして、次の診察日を予約しないまま帰ってきてしまいました。

これは擬態うつ病の人のパターンです。けれども、

私は擬態うつ病にあたるのでしょうか?

それはわかりません。先にお書きした通り、症状の具体的な描写に乏しいからです。


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