精神科Q&A

【1068】うつ病は回復に向かっています(【1033】のその後)


Q【1033】失った自信が戻らず、抗うつ薬の必要量も増えてきています で相談させて頂いた39歳男性です。回答を頂き、ありがとうございました。本当に勇気づけられました。
メールを差し上げてから3ヶ月ちょっとが経ち、その間多少波がありましたが、主治医の先生を信頼して治療を続け、現在は概ね良好な状態に落ち着いております。
その後の経過を少し報告させて頂きます。

〜4月中旬
調子の悪い日と普通の日が半々位でした。睡眠障害も毎日ありました。
主治医の先生から、ズルズルと長引いて燻っているのはよろしくない状況であり、再度ここはしっかり休養を取り、回復をはかるべきだと強く勧められました。そこで、職場とも相談の上、G.W. の前に1週間有給休暇をつけて、2週間休養を取ることにしました。
また、薬の処方としては、就寝前のアモキサンが25mg増量され、以下の通りになりました。
・朝食後 アモキサン:75mg
・夕食後 アモキサン:75mg
・就寝前 アモキサン:50mg、ロヒプノール:2mg、ピレチア:100mg

〜G.W.
約2週間の休養。G.W.後半までは全く悩みのない日々を送れ、朝までぐっすり眠れる日もありました。ただ、G.W.が終わりに差し掛かると、もうすぐ休みが終わり会社に行かねばならないという事が心に重く圧し掛かり、会社の夢をみるようになり、また中途覚醒と早朝覚醒が出始めました。

〜5月中旬
G.W.明けに少し調子が悪い日がありました。その頃は、せっかく休ませてもらったのだからバリバリ働かねばという気負いと、周囲から取り残されているという劣等感を感じてまた焦りが出始めていた為か、主治医から
1.自分の中での目標、妥協点を下げて、今はとにかく会社に来るだけで良しと割り
切る事が出来るならば、このまま出勤しながら治療を続ける
2.再度しっかり休み、安定した状態をもっと持続してから、慎重に職場復帰する
のどちらか選択になると指導を受け、前者を選択して様子をみる事にしました。主治医からは、もっと神経が図太くなれれば良いのが、こればかりは性格だから...とも言われました。睡眠障害も毎日ありました。

〜5月下旬
気分の波が、概ね良い状態に落ち着き始めました。悲しい気分は解消されて来たのですが、睡眠障害は一向に改善しないため、就寝前にデジレルを追加してもらう事になりました。
・朝食後 アモキサン:75mg
・夕食後 アモキサン:75mg
・就寝前 アモキサン:50mg、デジレル:100mg(追加)、
ロヒプノール:2mg、ピレチア:100mg

〜7月上旬(現在)
気分が良い状態が1ヶ月半程持続しています。少しずつ、物事を楽観的に捉える事が出来るようになってきました。仕事の自信はまだ戻らないのですが、意欲は少し戻ってきたような気がします。このまま完治まで持っていけるのでは、という希望も持てるようになって来ました。
デジレルを処方されてからは、寝つきは良くなったような気がしますが、中途覚醒と早朝覚醒は毎日ある状態が続いています。ただ、気分が良くなって来たせいか、睡眠障害はあまり気にならなくなってきました。
認知療法はまだ開始していませんが、少し前に感じていた億劫感は大分減り、このまま良好な状態を維持出来れば、ゆくゆくは受けてみるのも良いかなと思っており、主治医の先生の判断にお任せしています。

以上、お礼とその後の経過報告でした。


林: 経過を詳細にご報告いただきありがとうございました。やや長引いたうつ病が、優れた主治医の先生の治療を根気よく受け続けることで回復したという実例で、読者の方々にも大いに参考になったことと思います。私もあらためて【1033】から再読してみましたが、やはりこの主治医の先生の治療は完璧だと思います。私がもしうつ病になったらこの先生の治療を受けたいくらいです。今後もこの先生のご指示のとおりにしていれば何の心配もないでしょう。
 ただ一つご注意するとすれば、あなたが本当の患者なら の最後にお書きした通り、他の人にこの先生のことを教えないほうがいいでしょう。教えるとしても、あなたのうつ病が完治して、通院の必要がなくなってからにしたほうがいいと思います。


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