精神科Q&A

【1028】 外見へのこだわりが強く治療中だが、薬の副作用で困っている


Q: 22歳の娘は、髪型や外見へのこだわりが強く、15歳の頃、対人関係から登校拒否気味になりました。同時に髪型が変じゃないかと異常にこだわり始め人の目が怖いのが現在も継続しています。18歳のころから心療内科にかかりレキソタンやセパゾンから始まりルボックス、フルメジン、アナフラニール、リスパダールなど処方され症状に応じて種類は変わっていますが、継続して服用しています。その後の学生生活において安定した日常を送れる時期もありましたが、何かでトラブルとすぐ挫折する繰り返しです。急にろれつが回らなくなり脳を検査しましたが、原因が見つからず薬の副作用と心因性のものだろうと言われ、セルシンとソラナックスに変えました。今は、ろれつがまわらないためアルバイトも辞め、たまにしか外出しない状態です。少し、ろれつは良くなってきましたが、精神的にかなり不安定です。今後も、薬の副作用の恐怖もあり、しかし精神的バランスを保つには投薬は不可欠だと思いますが、心療内科より精神科を受診したほうが良いのでしょうか?
現在は、本人は通院せず症状を親がお話して処方されている現状です(本人は年に数回程度だけ通院しています)。本心では、じっくり時間を取ってカウンセリングを受けたいようです。そういう場所があるといいのですが、友人に相談すると疎遠になったりしてまたへこむ原因になっています。親には、よく話しますが、反抗的になることも多いのです。また、ろれつが回らないのはジスキネジアでしょうか?改善する薬はないのでしょうか?タスモリンは効かないようでした。また、家族はどう接するのがよいのかご指導よろしくお願いします。


林: まず、ろれつが回らないことの原因が何かということですが、残念ながら私にはわかりません。言語にかかわる症状というものは、実際に話しておられるのをお聞きすると即座に診断がつくことがしばしばありますが、「ろれつが回らない」という漠然とした情報だけでは診断することは不可能で、したがって原因もわかりません。ですから、

薬の副作用と心因性のものだろうと言われ

これを信用する以外ないところですが、しかしこれはおかしいと思います。ある日突然言語症状が出た場合、「薬の副作用と心因性」ということはあり得ないでしょう。「薬の副作用」または「心因性」のはずです。このどちらであるかによって、対応はかなり違ってきます。まずこの診断を、実際に症状を診ていただいている先生につけていただくことが必要です。

ろれつが回らないのはジスキネジアでしょうか?改善する薬はないのでしょうか?

以上の理由から、この質問にはお答えできません。

心療内科より精神科を受診したほうが良いのでしょうか?

心療内科と精神科は同じものですので、これには意味がありません。

それから、もっと根本的なこととして、今の時点での症状がほとんど書かれていないため、判断のしようがないといえます。

15歳の頃、対人関係から登校拒否気味になりました。同時に髪型が変じゃないかと異常にこだわり始め人の目が怖いのが現在も継続しています。

このような発症と経過からは、【0945】【0946】のように、統合失調症も疑われますが、その一方で、対人恐怖の範疇ということも考えられます。この区別は時として非常に難しいこともありますが、この【1028】では残念ながら現在の具体的症状がほとんどわかりませんので、診断のしようがなく、したがって薬がどこまで必要かもわかりません。
仮にろれつが回らないという症状が薬の副作用であったとしても、薬には当然プラスの面とマイナスの面があり、それを総合して飲むかどうかを決めるわけですから、副作用というマイナスの面だけが報告されても、ではどうするべきかという判断は不可能です。

以上、「わからない」という返答ばかりで申し訳ありませんが、症状や治療について回答できるためには、上にお書きしたような情報が必須であるとご理解ください。


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