精神科Q&A

【1025】「軽いうつ病」が2年半も続いているのですが、医師からは「職場の問題ですね、まあまあですね」と言われるばかりです


Q私は39歳、独身の男性で、エンジニアをしております。2年半にわたり精神科で治療を受けておりますが、なかなか治らない、というより、全く治らないので質問させていただくことにしました。特にお聞きしたいことは、以下の2点です。
(1) 私はうつ病なのでしょうか。それとも自分自身に、甘えがあるのでしょうか? がんばって奮起すべきか、休むべきか?
(2) お医者さんの処方は正しいのでしょうか?
       薬:セルシン5mg 朝晩 2回/日
       診断:ストレス対応障害 
症状は以下のとおりです:
(その1)夜、AM3:00頃〜不安に突然襲われ目を覚ます。会社のこと、家庭のこと、人生のことで、ネガティブに考えてしまい死にたいと思ってしまう。心臓もドキドキしている。朝には、精神的にヘトヘトになっていて、昼間は疲れ果てている。仕事も、まとめているデータに対して、人からの様々な批判を心配して、その状況に没頭してしまう。休み中、居眠りをして起きた直後も気持ちが暗くなっている。
(その2) 些細なことですぐに不安に陥り、落ち着かなくなる。憎い人を呪うことに没頭。
(その3) 最近、何も楽しみを感じない。感じるものの範囲が狭くなっている。
(その4) いろんなことを行う気力がない。

経緯:・今まで、自分の仕事の希望が通らず、うやむやにされ続け、若い人にどんどん希望している居場所を取られていった。
3年前の春〜:希望が通ったが、すぐに約束を破られる。周囲に反抗するほど、仕事の邪魔をされ、結局、強制的に外される。
3年前の秋頃〜:この辺から「心が折れそう」という感触があり、業務も、計画性のない上司Aに振り回され、人間関係も悪化。土日も夜中も、製造ラインから電話。有り落ち着く暇がない。休みがちになる。朝方、胸の上に重りが載っている苦しさがはじまる。内科に診てもらったが異常なし。
3年前の冬〜:このままでは「心が折れる」と思い、精神科と産業医の先生に相談。「軽いうつ病」と診断される。会社側も第一線から外される。
2年前の冬〜:少しのんびりできるかなと思った矢先、父親から「もう、だめだ、助けてくれ」と突然の電話。父親は結局、入院。この辺で、最後の精神力を使い果たし「心が折れた」気がした。
2年前の春〜:上司Bに変わったが、精神的に休みたいということが理解してもらえず。
仕事も上手くいかず。不安が蓄積。
2年前の秋〜:このころから、どんな些細なことでも、不安に感じるようになり、どんどんひどくなる。友人に相談しても「仕事は誰でもつらいんだ」で相手にしてくれない。友人関係も悪化しだす。会社の人間から「楽でいいよな」という言葉も。
1年前の冬:ついに1か月の休職。このとき、周りからは「いいよな」といわれ、「何で、乗り越えられなかったのか」と父親は泣き出す。 
1年前の春:胸の痛みもなくなり、復帰したが、些細なことに大きく不安を感じる。慣れるしかないと前向きに思いつつ、念のため、上司Bに話したら「もうこれ以上仕事をしないならお前の居場所ない」とプレッシャをかけられる。この辺から、夜中に目覚める症状がでる。
1年前の春〜秋:自力で這い上がるしかないと、何とか少しずつ良くなっていった。(かなり、つらかった)
1年前の秋〜今:父親のボケが加速。週末は、すべて、父親に時間を取られ。心休む日なし。
月曜日は、父親の相手疲れで、特に調子が悪い。この辺から、上記の症状が現れる。何も楽しく感じない。快方に向かっていた症状が停滞、むしろ、悪くなってきた。最近、上司がCに代わったので、仕事上、問題は少なくなった。なのに不安がとれない。ネガティブなことばかり考える。いつになったら治るのだろう会社側もイライラし出している。最近、若いのにどんどん追い抜かれ、自分のやりたい仕事の居場所をどんどん取られていく。ならば、勉強して、努力して奪えばいいじゃないと思うが、心が動かない。
 
この話を2年半、2週に1回、精神科のお医者さんにしても、職場の問題ですね、まあまあですね。という回答で、いつも同じ薬でした。  


林: 
(1) 私はうつ病なのでしょうか。それとも自分自身に、甘えがあるのでしょうか? がんばって奮起すべきか、休むべきか?

よくわかりません。
そもそもの始まりから検討する必要がありそうです。

今まで、自分の仕事の希望が通らず、うやむやにされ続け、若い人にどんどん希望している居場所を取られていった。
   
これが始まりとして書かれていますが、客観的にはどうだったのでしょうか。
つまり、あなたの希望というのが、職場の現実の状況や、あなたの能力に見合ったものであったのかどうか。希望があなたの中だけの願望のようなものであったとすれば、職場がそれをかなえないのは自然でしょう。「若い人にどんどん希望している居場所を取られていった」というのは、あなたの能力不足と考えるのが普通でしょう。実際はどうなのか、メールからは判断できませんので、あなた自身が冷静に振り返って判断してください。
 少なくともこのメールに書かれている経過からは、

がんばって奮起すべきか、休むべきか?

がんばって奮起する以外ないように思えます。休んだ場合、おそらく解雇されるか、少なくともさらに閑職に異動させられるでしょう。


(2) お医者さんの処方は正しいのでしょうか?
       薬:セルシン5mg 朝晩 2回/日
       診断:ストレス対応障害 


「ストレス対応障害」という診断名はありませんので、医師がどのような意味でこの言葉を使っているのかはわかりません。つまり、職場という環境の問題が大きいと考えているのか、あなたの対応能力の問題が大きいと考えているのかはわからないということです。ただ処方が抗不安薬(セルシン)だけで、

精神科のお医者さんにしても、職場の問題ですね、まあまあですね。という回答で、いつも同じ薬でした。

ということは、少なくともあなたがうつ病であるとは考えていないことは明らかです。

以上が回答ですが、あるいはこの回答は完全に間違っていて、実はあなたはうつ病なのかもしれません。ただ、メールに書かれている経過と、主治医の処方を含めた対応を総合すると、擬態うつ病の可能性が高いという判断になるということです。
しかしこの回答はあくまでも一つの参考意見とお考えになって、経過を振り返る・他の医師の意見を求めるなどをご検討ください。


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