精神科Q&A

【0986】意欲だけ回復しない私は擬態うつ病ではないでしょうか


Q私は20代男性です。 
大学院に通っていましたが、6ヶ月ほど前に精神科を受診しうつ病と診断され休学しています。うつ病になった原因は大学4年生の時にあったと思います。卒業研究で研究室に所属していたのですが、研究をする上で周りの人との実力差が歴然としていて (周りは何年も経験があり、自分は全くの素人)自分ができる作業もほとんど無くただ雑用をするだけの状態となり自信を失っていました。そんな中自分が1チームのリーダーとなって研究発表をすることになりました。しかしこのことは私にとってすごいストレスになっていました。またこの時チームをうまく動かすことができず、結果として発表は失敗しさらに自信をなくしてしました。そうこうしているうちに大学院へエスカレータ式に進学することになりました。このときにはもう研究をする意欲は残っていませんでしたが、周りから「早く研究をしなければだめだ」とか「周りに対しても示しがつかないもっとしっかりしなければだめだ」等と言われますます自信を失い、ストレスも溜まっていきました。大学院を辞めることも考えましたが、辞めたら仕事が無くニートやフリーターのようになってしまうという考えが頭から離れず、辞めることができませんでした。そんな状態の中体にも変化が現れました。疲れているわけでないのに立っているとダルさを感じるようになりました。また朝が起きれなくなりました。本を読んでも内容が頭に入らなくなりました。考えも悲観的なことばかりが浮かぶようになりまた、何かをしようと意欲的になることがなくなりました。趣味も楽しめなくなり、友人と遊びに行っても心から楽しむことができませんで した。そんなときたまたまうつ病の友人と話をしていたら、自分(私)もうつ病になっているかもしれない、といわれ精神科を受診することになりました。

それから大学院を休学し6ヶ月の間家で療養することになりました。またその間ファーストフードでアルバイトをしていましたが注文が頭に入らなかったり、体がだるく続けていくことができなくなったため3ヶ月程で辞めました。そして休学してから5ヶ月が経ちダルさや朝起きられなくなるなどの症状は改善しました。悲観的な考え方も少なくなりました。しかし何かをしようと思う意欲がなく趣味もやろうという気が起りませんでした。薬もアモキサン150mg/day、トレドミン150mg/dayという処方をしてもらいましたが一向に効く気配はありませんでした。それから1ヶ月が経ちましたが未だに意欲は回復していません。意欲だけ回復しない私は擬態うつ病ではないでしょうか?というもの自宅療養中の後半3ヶ月間は寝たきりのような状態で部屋に引きこもっていたため、意欲が出ないのではと思うのです。主治医の先生はこれはうつ病の末期症状なので思い切って入院し電気けいれん療法などを試してみては、と言っています。しかし自分ではうつ病はもう治ってしまっているのでは、と思っているので入院に踏み切れません。私は擬態うつ病ではないでしょうか? 


林: 経過と症状からみて、あなたうつ病だと思います。うつ病を治療していくうちに、最後に意欲低下だけが残ることはよくあることです。文藝春秋5月号臨時増刊「心と身体の処方箋」の中の「うつ病の治り方」にもそのことを書きましたので、機会があればお読みください。また、軽症うつ病にもこれについての記載があります。

主治医の先生はこれはうつ病の末期症状なので思い切って入院し電気けいれん療法などを試してみては、と言っています。

「末期症状」という表現はあたらないと思いますが、最後に残った症状、という意味でおっしゃっているのだと思います。この症状も今の治療を続ければ治るとは思いますが、軽症うつ病にも書かれているとおり、薬が効きにくい症状であることは確かです。したがって、電気けいれん療法もひとつの手段ではあります。もしあなたがそれをためらっている理由が、

しかし自分ではうつ病はもう治ってしまっているのでは、と思っているので入院に踏み切れません。私は擬態うつ病ではないでしょうか? 

ということなのであるとすれば、あなたの考えは間違いです。あなたは擬態うつ病ではなく、うつ病だと思います。それを認識したうえで、今後の方針をお決めください。


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