精神科Q&A

【0839】胃ろうのある患者は精神科に入院できないか


Q私(28歳男性)の働いているデイサービスを利用しているAさん(69歳)のことでご相談いたします。
Aさんは食道がんで胃ろうをしています。感情失禁が激しく、奇声を上げたり職員をつねったり、ものをたたくといった問題行動が見られます。自傷行為も多少見られます。
がんの末期なのでご家族は家で看たいとのご希望ですが、家族への虐待も見られ、週に6日は私たちのデイサービスを利用しています。

先日Aさんのサービス担当者会議があり、デイサービスではこのままでは難しいとのことで精神科の受診をしていただきましたが、胃ろうがあるため、外科医と脳外科医の紹介状があったにもかかわらず、精神科での治療は対応できないといわれてしまいました。
しかし、胃ろう部を暴れて抜いてしまうことも多々あるため、デイサービスでの利用は限界に来ています。
他の利用者様も奇声に驚かれ、快適に過ごしていただくことができません。
家族の負担も考えると、利用を中止することもできずに悩んでいます。
残りわずかな時間を、ご家族様と快適に過ごしていただきたいと職員もケアマネージャーも考えております。 良いアドバイスがいただけたら幸いです。



: 胃ろうがある場合、対応できる精神科もできない精神科もあると思います。つまり対応できる精神科は必ず存在しますので、あきらめずに他の病院にあたることをお勧めします。

とは言っても、胃ろうのような身体的問題があるケースは精神科では入院を断られるケースがかなりあることは否定できません。そして逆に、精神疾患のあるケースは体の病気の入院治療が必要でも、精神科以外の病院では入院を断られるケースがかなりあることも否定できません。

これは、もちろん専門分化している医療機関の問題も指摘できますが、その一方で、病院にあらゆる点で完璧を求める風潮の弊害といえます。何かあった場合の責任追及の弊害のひとつともいえます。

どの病院でも、それぞれの専門以外の領域の治療については、最善を尽くそうと努力しても、望ましくない結果になる率が一定以上になることは避けられないものです。それが容認されにくい状況ですので、専門以外の領域の病気があるケースについては、「専門家がいないので責任を持てない」として、最初から入院を断ることが多くなっているのです。

良いアドバイスがいただけたら幸いです。

良いアドバイスができず申し訳ありませんが、以上が事実です。


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