精神科Q&A

【0777】精神科Q&Aに「その後の経過」が多いのはなぜですか


Q: いつもHPを興味深く読ませていただいております。私の質問は、病気のことではなく、精神科Q&Aの採用基準にかかわることです。毎月たくさんのメールから掲載するものを選ばれるのは大変かと存じますが、「その後の経過」(あるいはそれに類するもの)が多いことが、いささか気になっております。同じ人からのメールを2回取り上げるよりも、一人でも新しい人からのメールを取り上げていただいたほうが、質問する側からすると有難いと思います。もちろん2回取り上げていただいた方についてどうこう申し上げるつもりはありませんし、先生のご方針を批判するつもりもありませんが、やや気になったので質問させていただいた次第です。


: ご指摘のとおり、精神科Q&Aでは、「その後の経過」を意識して多く掲載しています。その理由は二つあります。

 第一は、「その後の経過」のメールを私にお送りいただいた方は、精神科Q&Aへの掲載に同意いただいていることが明らかであるということです。
 精神科Q&Aには、本来ならば他人には知られたくないと思われる個人的な問題についてのメールをご紹介するわけですから(精神科Q&Aに質問する方へに記したように、プライバシー保護のため一部書き換えることは多いのですが、それには限度があります)、はたして掲載していいかどうかという危惧が、一つ一つについて常にあります。質問者がいくら精神科Q&Aに質問する方への内容を理解されていたとしても、実際に掲載されて多くの人の目に触れると、やはりちょっと困ると思われることもあるでしょう。また、どんな場合でも事実を回答していますので(つまり、希望のない場合はそのように回答しています)、掲載が必ずしも質問者にとって有難いこととは限らないでしょう。
というような危惧は常にあるのですが、精神科Q&Aに質問する方へに記したとおり、いったん掲載した質問は削除いたしません。この方針は変えることはできません。
 とはいうものの、質問者ご自身が、掲載後も掲載に同意していただいているほうが回答者としては安心できることも否定できません。「その後の経過」のメールをいただけるということは、この同意が明らかですので、あまり迷わずに掲載できるわけです。

 第二の理由は、このサイトでは、こころの病について、なるべく具体的な、そして長期的な経過をご紹介したいという私の意図からくるものです。
 トップページの記載のとおり、「脳の科学の進歩により、こころの病の多くが治るようになっています。それを知っていただくために作成しているサイトです」が、このサイトの基本方針です。そのためには、ある一時期の状態だけでなく、長期的な経過を知っていただくことが必要でしょう。そしてこの場合、「治る」例はもちろんですが、「治らない」あるいは「治りにくい」例もご紹介しなければ、まったく一面的で不十分な内容になってしまうでしょう。
 ですから、「その後の経過」のご連絡をいただいた場合には、なるべく掲載するようにしており、その結果として「その後の経過」が多くなっているわけです。

以上が理由です。第一は質問者ご自身にかかわる理由、第二は質問者以外の読者にかかわる理由と言えるでしょう。


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