精神科Q&A
Developmental Prosopagnosia (先天性相貌失認) 参考文献
● Duchaine and Nakayama: Developmental prosopagnosia: a window to content-specific face processing. Current Opinion in Neurobiology 16: 166-173, 2006.
相貌失認研究の権威といえる、ハーバード大学の研究者による総説です。彼らのサイトは相貌失認について最も充実したサイトです。(Harvard と prosopagnosiaで検索すると一番にヒットします・・・2010.7.5.現在)
● Grueter M. et al: Hereditary prosopagnosia: the first case series. Cortex 43: 734-749, 2007.
先天性相貌失認についての綿密な家系調査です。
● Developmental prosopagnosia. A single case report.
McConachie HR
Cortex 12: 76-82, 1976.
先天性相貌失認が世界で最初に記載された論文です。
ケースは12歳女性で、人の顔が覚えられないというのが主要な症状です。知能は非常に優秀ですが、協調運動障害を伴っていました(たとえばものを書いたりするのが苦手など、いわば不器用ということです)。また、脳波に軽い異常が認められています。さらに、母親にも相貌失認の傾向があったと記されています。
● A fifteen year follow-up of a case of developmental prosopagnosia.
de Haan and Campbell
Cortex 27: 489-509, 1991.
上の世界で最初のケースの15年後の様子です。本質的に15年間で変化はありませんでした。
● Developmental prosopagnosia: A study of three patients.
Barton JJS, et al
Brain and Cognition 51: 12-30, 2003.
最近の3例の報告です。検査所見や症状などが詳しく記載されています。顔以外の認知にも障害が認められています。3例の報告というより、先天性相貌失認の総説的な論文といえます。
● Developmental prosopagnosia: A review
Kress T and Daum I
Behavioural Neurology 14: 109-121, 2003.
これは先天性相貌失認の総説です。(つまり全般的な解説です)
● Neuroperception: Early visual experience and face processing
Le Grand R, et al
Nature 410, 890 (19 April 2001)
顔の認知のためには、生後のある一定に時期に、顔を見るという体験が必要であることを示した論文です。