精神科Q&A

【0083】 心因反応の分裂病性反応とは


Q22歳女性です。4年前に妄想が強くなり入院しました。そのとき統合失調症(精神分裂病)と診断されたと母から聞きました。最近、先生とのふとした会話で、「あなたは分裂病ってわけではないから…」と言われて気になっています。そこで本を調べたところ、心因反応の分裂病性反応というものがあると知りました。統合失調症(精神分裂病)とはどこが違うのでしょうか。

林: 統合失調症(精神分裂病)の症状が一過性に出て、その後は何の症状もない時、心因反応と呼ぶことがあります。けれども最近ではあまりこういう病名は使いません。昔は、精神分裂病というと、進行性に悪化するものだけに限っていましたので、進行しないものと区別するために心因反応という病名をよく使ったのですが、今では進行するものも一過性のものもすべて統合失調症(精神分裂病)と呼びますので、区別する意味がなくなってきたためです。それでも、一般の人の中には、統合失調症(精神分裂病)というとすべて予後は悪いと信じている人がたくさんいますので、最初から病名を告げて不要な心配をさせるのを避けるために、心因反応という病名であるとして説明することもあります。

 

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