精神科Q&A

【0639】脳挫傷で人が変わってしまった父


Q: 44歳の父は、約2ヶ月前玄関で転倒し、頭を打ち硬膜外結腫、脳挫傷となり手術を受け左半身が麻痺し、リハビリの結果歩くことが出来るようになりましたが、手は麻痺が残りました。その後、脳外科からリハビリ病院の転院となりましたが脳外で服用していた精神安定剤をやめたところ、落ち着きがなく歩き回り作り話を延々としゃべり続け夜も2時間程度しか眠りません。リハビリ病院では安定剤を使用しない主義でこのままでは受け入れ態勢が取れないので精神病院を進められています。この父の状態はこれから先落ち着いていくものなのでしょうか?また精神病院は高次脳機能障害の治療は出来るのでしょうか?

: 頭部外傷後2ヶ月の時点では、症状が固定しているとはまだ判断できない時期です。したがいまして、今のお父様の状態は、まだまだ改善していく可能性があります。あせらず経過を観察してください。

ただし、経過を観察するといっても、今の状態、すなわち、

落ち着きがなく歩き回り作り話を延々としゃべり続け夜も2時間程度しか眠りません

この症状に対しては、安定剤や睡眠薬による治療が必要といえます。

リハビリ病院では安定剤を使用しない主義でこのままでは受け入れ態勢が取れないので精神病院を勧められています

これは不可解なことです。脳のダメージ(たとえば外傷や血管障害)の後には、一時的に精神症状が出ることはよくありますので、その時期には安定剤を使用しないというわけにはなかなかいきません。ですからリハビリの病院で「安定剤を使用しない主義」というのは解せないことです。転院を勧められているには何か他に理由があるのではないでしょうか。
 もし本当にその病院が安定剤を使用しないという主義だとしたら、リハビリ病院としては質が悪いと言わざるを得ません。扱いのやさしい患者だけを対象にした楽な診療のみをする主義だと解釈できるからです。(安定剤を使用せず、かつ、興奮などがある扱いの困難な患者も引き受けているとすれば、それは一つの方針として尊重できます。しかし実際はそんなことは不可能でしょう)

精神病院は高次脳機能障害の治療は出来るのでしょうか?

それは病院によって違います。出来る病院も出来ない病院もあります。
 けれども、今のお父様の状態は、まず鎮静しなければリハビリどころではないので、どこかの病院で薬などで鎮静していただき、それから次の方向性を決めるというのが現実的な方針だと思います。


精神科Q&Aに戻る

ホームページに戻る