精神科Q&A

【0586】私は統合失調症の寛解期なのでしょうか(【0580】の続き)


Q: 私の質問(【0580】あやつり人形のように動かされたことがある)を掲載していただき、本当にありがとうございました。病気との付き合い方が大幅に前進したと感じています。

妄想が始まった当初は、本当に偶然の出来事が続いたと感じておりまして、会社の元上司が歩いているのを自分の家の近所で偶然見かけたり、自分の部屋(一人暮らしをしていました)に誰かが勝手に入って服を盗まれたと思ったり、退職直後に通った歯医者で、治療中、目を閉じているときに、フラッシュで写真をとられたと感じたり、これまた退職直後に、銀行に行ったときには、その銀行の防犯カメラが私を狙って撮影していたり、私の会社は相当ハードな会社(私だけにとってとは思いたくないのですが)だったので、ハローワークに失業の手続きをしに行った帰りに、「いろいろあったことぶちまけてやればよかった」とつぶやいたら小石を投げられてぶつけられたように感じたり、等々そのほかいろいろな偶然が重なりました。繰り返しになりますが、私の勤務していた会社は相当ハードな環境だったので、労働基準監督署にでも行かれると会社は困ると考え、私の行動をけん制し、監視しているのだろうとずーっと考えていました。

両親も精神科の病院も会社と結託していると妄想していましたので、主治医の先生にも本当のことを言えず、また病名も聞けず、2週間に1回3分程度の主治医の先生との会話と投薬だけの生活でしたので、誰も信用できない、何も話せない状態でした。実際、本当のことを話し、真実を聞くのが怖かったのかも知れません。

しかし、主治医の先生からの病名の告知と(これは私がしつこく病名を聞いて、やっと教えてもらえました。)先生のホームページの情報のおかげで自分は病気なんだという認識がやっとできました。

あの質問のメールを送った後、意を決して主治医に同じ質問をしてみたら、「させられ体験」ということで、【0580】と同じ回答でした。
その後は主治医の先生にも包み隠さず、過去の経験を話すことができるようになりました。今後は、恐れず、怖がらず、包み隠さず、病気と付き合っていきたいと思います。ありがとうございました。

ところで、蛇足になるかも知れませんが、私は寛解しているのでしょうか。今はそれが今最も気になるところです。もしできましたら先生のご意見を聞かせていただければ幸いです。


: 改善に向かわれているようで、何よりと思います。今後も主治医の先生とよく相談しつつ治療を続けられることを願っております。

私は寛解しているのでしょうか

というご質問ですが、寛解という言葉は、人によっても使い方が違いますので、あなたがどのような意味に解釈しておられるかによって、回答は違ってくると思います。しかし言葉の使い方はともかく、現在のあなたには少なくとも陽性症状はなく、また過去の症状についても病識を十分にお持ちのようですので、心配されることはないと思います。また、百もご承知のこととは思いますが、現在の良い状態を保つためには、薬が大変重要です。あなたのように非常に良い状態になった統合失調症(精神分裂病)の方が、薬を飲むのをやめたために再燃し元の状態に戻ってしまうことは非常によくあるものです。このことに十分留意されて、その他はあまり心配せずに、前向きの生活を続けられることを願っております。


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