精神科Q&A

【0466】抗うつ薬を頓服として処方されているのですが


Q: 28歳の男性です。2年半ほど前からうつ病と思われる症状があり、検査の結果、かなり重いうつ病と診断されました。今までに処方された主な薬は以下の通りです。処方された順に記します(記載の量は処方された最大量です。)
1 ミラドール錠 150ミリ
2 パキシル 60ミリ
3 トフラニール 175ミリ
4 トレドミン 100ミリ
5 テトラミド 60ミリ
6 リーマス 600ミリ
以上の処方では、それなりに効果はあったのですが、それなりにしかありませんでした。現在では、
 デパケン 600ミリ
 テトラミド 60ミリ が主な治療薬として処方されています。(その他に、ソラナックス1.2ミリ デパス 1ミリ マイスリー 10ミリ ミラドール150ミリが処方されています)
 この処方により、日常でうつ状態に陥ることはほとんどなくなったのですが、時々うつ状態(著しい全身の倦怠感及び気力の低下)が起こるようになりました。
 このことを信頼している主治医に相談し、何か頓服がほしいと相談したところ、即効性のある抗不安薬ではなく、現在服薬しているテトラミドの10ミリ錠が処方されました。
 お聞きしたいのは、効果が現れるまでに時間がかかる抗うつ薬を頓服として用いて、薬理学上効果が認められるのだろうかということです。主治医は「おまじないとして」という趣旨の言葉を口にしていましたが・・・。もしかして、この処方はプラセボ効果を期待したものに過ぎないのでしょうか。


: なんともいえないと思います。
 あなたがご心配されている通り、「効果が現れるまでに時間がかかる抗うつ剤を頓服として用いて」も、薬理効果があるという証拠はありません。ですから頓服の場合は、速効性のある抗不安薬を処方するのが普通です。 しかし、あなたの症状である、
「著しい全身の倦怠感及び気力の低下」
は、抗不安薬の効果が十分期待できる種類のものではありません。
 一方、まれには抗うつ薬の頓服で効果があるとおっしゃる方がいるのも確かです。それがプラセボ効果なのか、薬理作用なのかは不明です。
 もとより、抗うつ薬の作用メカニズムは、まだまだ不明な点があります。特に、効果が出るまでなぜ一定の時間がかかるのかについては、仮説はあっても確固とした説はありません。ですから、あまり理屈にこだわらず、まずは試してみるという考え方でいいと思います。


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