精神科Q&A

【0433】悲観、焦燥、おっくう・・・でも、うつ病とは違いますよね


Q:  40歳、女性です。二ヶ月ほど前から心療内科(精神科医師)のクリニックへ通院中です。最近趣味などを楽しめなくなったことと、元からあった入眠困難の相談でした。
翌日に仕事があるので寝たいと思っても眠れなくて困ってます。
 夜になるといろんな事を考えるせいか、眠いと感じません。と伝えたところ、
ハルシオン0.25mgとレンドルミンを処方して下さいました。
 1週間後の診察日、以前からあった肩こりと頭痛がどんどん酷くなり、連日の頭痛で夜寝込んでしまいます。と伝えたところ
デバス0.5mg1日1錠、頭痛が治まらない時は追加で1錠と指示されました。
 また、1週間後の診察日、ふと壁に貼ってあるポスター「パニック障害」に目がとまり、私が十数年パニック障害であったことに気が付きました。
 20代後半の会社勤めをしていた頃、原因不明のパニック発作を数回起こし、内科では異常がないので精神科受診を勧められ、1度だけ診察を受け、その時性格テストや心理テスト、耳、目の検査、「木の絵」を描く等の結果、医師から「ストレスによる自律神経失調症でしょう。このままですと鬱病になるので治療をお勧めします」と言われたのですが、当時の私は納得できず(そんな発作を起こすほどストレスに弱いとは思えなかった)治療を続けませんでした。
 自律神経のせいなら一時的なもので、必ず治る。発作では死なないと必死で自分に言い聞かせながらも、予期不安がおきるなか「なんでこんな発作がおきるの? 私が弱いの?」と自分を責め続けた時期もあります。
 私の場合、乗り物に乗るのが怖くなってしまったのですが、短期的に良くなったりもしましたが、悪くなったりを繰り返して、この10年間ほとんど電車やバスに乗れません。と主治医に伝えました。
「今でも発作はおきますか?」と聞かれ、大きな発作は20代後半の一時期だけですが、今でも電車の乗ることを想像しただけでドキドキしますし、今でも乗り物以外でも閉塞感を感じると軽い吐き気やフワフワした感じで逃げ出したくなります。
 日常生活や現在の職場(パート)も近所ですので、普段は支障ないのですが、パートだけで疲れやすく、胃腸の調子も悪いです。と答えたところ、「全般不安神経症でしょう」と、上記の投薬の他、朝晩2回メイラックス1mg追加されました。
 実際にすぐ電車に乗ることを想像しただけで不安になることはなくなり、(いまだ乗る機会がなくて試してはいませんが)頭痛の頻度も減ったのですが、以前から時々あった夜間の焦燥感、悲観的なことを考える頻度がどんどん増えて、この数日毎日止まりません。隠してましたが、漠然とした希死念慮も以前からあります、と訴えたところ
「抗うつ神経症」でしょうと、トフラニール25mg朝晩各1錠追加となりました。
 1週間で抗うつ剤の効き目が出るとは思ってはいませんでしたが、毎日焦燥感や突然わけもなく涙が出てきたりして自分で自分の感情をコントロールできません。実は私、昼夜逆転生活をしてまして、夕方起きるのですが、起きた時は普通なんです。起きて6〜7時間後に酷くなって来ていたのが、最近は感情の発作がおきるのが短くなって来て、午後6時から10時までのパート中も午後9時頃から頭のパニックが起き、同僚にも心配かけてしまってます。頭もボケてきたのか、回転が鈍く、以前と同じように働けなくて辛いです。
 昔から時々発作的にイライラすることもあったのですが、必ず夜中で、その都度自分で気を紛らわせて来たのですが、今は趣味も楽しめなくて気分転換が出来ず、どうしようもありません、食欲もないですと、訴えたところ、トラフニールからルボックス朝晩25mg、メイラックス1mgから朝晩2mgに増量、焦燥感が強い時は頓服としてコンスタン0.4mgに変更されました。
 メイラックス増量のおかげかどうかわかりませんが、仕事中はなんとか感情発作をおさえることが出来るようになりましたが、家に帰るとやはり悲観的な考えが止まらず泣いてしまいます。
 おっくうながらも最低限程度ですが家事をしていると、ふと何も手伝ってくれない主人にイラついてしまったり、またそんな自分に自己嫌悪したり、ただ私は現実から逃避したくて、こうなってしまったのか?など、考えがぐちゃぐちゃでまとまりません。
 先生のサイトによる、うつ病と私の状態は違いますよね。
 もしこれが治るのだとしたら病名はなんでもいいのですが、回避性人格障害の傾向があるのなら、カウンセリングも受けた方がいいのでしょうか?

: あなたはうつ病だと思います。症状はかなり典型的です。抗うつ薬でしっかり治療をすれば治ります。

「趣味などを楽しめなくなった」
「不眠」
「食欲低下」
「頭もボケてきたのか、回転が鈍く、以前と同じように働けない」
「夜間の焦燥感、悲観的なことを考える」
「漠然とした希死念慮」
「悲観的な考えが止まらず泣いてしまう」
「おっくう」
などは、うつ病の中心症状です。
 ここに、パニック発作的な症状や、肩こり・頭痛などの身体症状を伴っているとなると、典型的なうつ病の病像といえます。(あるいは、うつ病にパニック障害が合併しているととらえることも出来ます。いずれにせよ治療法はあまり変わりません)

 抗うつ薬をお飲みになっている期間が不明ですが、今の量を二、三週間続けてもまだ効果がなければ、さらに量を増やすことが必要です。そうすれば症状の改善が大いに期待できます。うつ病が長引く最大の理由は、抗うつ薬の量が不十分なことは、うつ病の医学部講堂やうつ病の図書館で解説した通りです。

 もうひとつ、あえて付け加えますと、特にあなたの場合は、診断が何であるかなど、あまり考えすぎないほうがいいと思います。というのは、まずあなたの書いておられる病名には間違いが多いことがひとつの理由です。「全般不安神経症」という病名は存在しません。「全般性不安障害」の聞き違いでしょう。また、「抗うつ神経症」という病名も存在しません。「抑うつ神経症」の聞き違いでしょう。ということは、他にも聞き違いはいくつもありそうです。間違った情報をもとにいろいろお考えになっても、かえって混乱するだけで回復にはつながりません。むしろ障害になるでしょう。

 また、治療を勧められた際に自己判断で拒否されたことも、症状の慢性化につながっています。
それから
「回避性人格障害の傾向があるのなら、カウンセリングも受けた方がいいのでしょうか」
と書かれていますが、あなたが回避性人格障害ということはあり得ないと思います。
あなたは最後に
「もしこれが治るのだとしたら病名はなんでもいいのですが」
と書かれていますが、これまでの経緯からは、それがあなたの本心とはとても考えにくいです。病名や治療法にこだわりすぎていると思います。あれこれご自分で判断せずに、今の治療をしっかりと続けられることが第一です。
 
 最初に書きましたように、あなたはまず間違いなくうつ病です。ということは、抗うつ薬でしっかり治療をすれば治るということです。


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