精神科Q&A

【0282】投薬中のサプリメント摂取について


Q:  30歳になる弟が、2年ほど前から統合失調症(精神分裂病)の投薬治療を受けております。PS(ホスファチジルセリン)という、大豆を主成分としたサプリメントが、脳の神経伝達機能に良いと聞き、DHAと共に飲むことを勧めようと思うのですが、薬の効果や副作用等に影響はありますか?主治医に質問したところ、PSについての知識がなく、わからないとのことでした。現在の投薬の状況は、ピーゼットシー4mgとアキネトンです。また、ビタミンやミネラル等のサプリメント全般と薬の相性や、飲み方等についてアドバイスがあればよろしくお願い致します。

: 少しでも弟さんのためになることをしたいというお気持ちはよく理解できますが、ご質問のようなサプリメントには意味がありません。お金の無駄だと思います。
 理由は擬態うつ病の147ページや、【0076】【0221】【0257】などの回答の通りです。ポイントだけ繰り返しますと、
・たとえ成分そのものに効果があるとしても、それを含んでいるからといって効果があるとは限りません。(量や吸収などの問題があります)
・全く効果がなければまだいいのですが、もし何らかの効果があるとすると、必ず副作用も伴います。その場合、どんな副作用があるかわかりませんので、非常に危険です。また、薬との相互作用も不明ですから危険です。(もっとも、効果がない可能性のほうがずっと強いので、危険性については心配のしすぎかもしれません。【0076】ではそうした回答をしました)
・ラベルにどう書いてあろうと、実際には何が入っているかわかりません。他の成分(医薬品、あるいは有害成分)が入っていたという例はたくさんあります。
また、ホスファチジルセリンについては、それが脳の神経伝達機能に良いなどという事実はありません。脳の神経伝達に関係する物質であることだけは事実ですが、「良い」というのはそこからの強引な類推にすぎません。科学的には全く無意味、荒唐無稽です。(たとえば、イライラにはカルシウムがいいというような俗説【0203】と共通するものがあります。カルシウムは神経が正常に活動するための必須のイオンであることから、誰かがこういう説を作ったのだと思いますが、「イライラにいい」というのは全く根拠のないことです)


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