精神科Q&A

【0043】  顔がひきつってしまい、他人の視線が気になります


Q: 27歳女性です。2年ほどから人と会話などをすると、顔がひきつってしまうという症状が出て困っています。外出先でも、他人の視線が気になって 顔がひきつってしまうのです。よくお店の中やすれ違い際に、「気持ち悪い」と他人の声が聞こえて(幻聴ではないですよ)、私と一緒にいる人に、とても恥ずかしい思いをさせてしまって、申し訳ないという気持ちでいっぱいになります。この症状があるため、人と接するのを避けたくなってしまいます。どうすれば治るのでしょうか。

林: まず考えられるのは対人恐怖症です。「自分の容姿(の一部)が他人に不快な印象を与えている」というのは、対人恐怖症の中でも「醜形恐怖症」と呼ばれています。醜形恐怖というと、顔が醜いことを恐怖する、と受け取られがちですが、自分の視線や表情が他人に不快な印象を与えているという訴えもよくあります。「顔がひきつる」というのも、その範疇に入るものです。

対人恐怖は、軽いものは自然に治っていくものですが、症状のために人と接するのを避けるようになってくると問題で、治療の必要があります。また、すれ違い際に他人から何か言われることが多いとなると、なおさら問題がでてきます。

しかし、この【0043】のケースは、統合失調症(精神分裂病)も考えられます。「気持ち悪い」という他人の声は、なかなかご本人は納得されないと思いますが、幻聴に間違いないでしょう(幻聴のある人で、最初からそれが幻聴だと自覚している人はほとんどいません)。対人恐怖でも幻聴に近い体験はあり得るので、本当は直接診察をしないことにはわからないのですが、このメールの記載からすると、どちらかというと統合失調症の幻聴の可能性の方が高いように思えます。そうだとすれば、早目に薬物による治療を始めることが大切です。また、統合失調症でなくても、幻聴に対しては薬物が良く効くことが多いものです。この場合、幻聴だけでなく、症状全体が改善することが期待できます。いずれにしても、早目に精神科を受診されることをおすすめいたします。

なお、こうした症状については、対人恐怖症の図書室に紹介した「対人恐怖・醜形恐怖」という本に詳しく書かれています。また、対人恐怖症の診察室も参考になると思います。

 

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