精神科Q&A

【0251】胃癌の手術後、食べられなくなってしまいました。精神的なものと言われているのですが・・・


Q: 父(60歳)が昨年胃ガンになり胃を全摘しました。それから約3ヶ月後腸閉塞になり、完治したと主治医はおっしゃるのですが、父は痛いと言い痛み止めの注射や点滴をしています。それが効かない効かないといい何度も打っている状態です。父が言うには、食べたら痛くなったとか、朝痛くて目が覚めたとかで、何が原因かわからないと先生も言います。ちなみに痛み止めはソセゴンやモルヒネを使っているそうです。これくらい打てばみんな腰抜かすというくらいの量を打っているそうですが、効かないと父はいいます。
 そんな状態で、今は約1年が経過し、入退院を繰り返していますが、実際家にいたのは1ヶ月もなく、ほとんど入院しています。たまに食べられるのですが、その時は大福とか好きなものばかり食べます。痛い時は水も飲めないです。
 一時は今の病院では解決できないので他の病院へということも考え、今の病院には内緒で行ってみたことはありますが、やはり手術をした病院が一番わかっているはずだからそこでみてもらうのが一番いいという答えでした(何件か相談しましたがみんなそうでした)。
 外科的な検査の結果は、問題(癒着や転移)ないので精神的なものでは、ということで現在精神科に入院している状態です。
 ですが、食べれない状態なので体重は45kgまでおちてしまいました(身長は170cmです)。一刻も早く回復をするよう家族は願っているのですが、先にはまったく進まずどうしたらいいのか悩んでいます。
 外科に入院中は首からカロリーの高い点滴をしていましたが、現在は精神科なのでそれはできないということなのです。
 精神的な問題で解決できるのであればいいのですが、このままでは体重がどんどん減っていき栄養失調で死んでしまうのではないかと心配です。やはり精神的な問題なのでしょうか。

: 病気の症状には色々ありますが、「食べられない」というのは単純ですが一番重大な症状ともいえます。栄養が不十分になることで、二次的に別の症状が出てきたり、薬が使えなくなったりするからです。
 こういう場合、食べられない原因がわかればそれを解決するのが一番いいのは当然ですが、原因がわからない時は非常に困ってしまいます。検査で見つからないからといって、身体に原因がないとは言い切れないのですが、見つからなければ精神的なものと考えざるを得ないところです。
 だからといって、精神的な原因はそう簡単にわかるものではなく、また仮にわかったとしてもそうそう良い対策があるとは限りません。
 ではどうしたらいいか。私の経験では、長期戦を覚悟して粘る以外ないと思います。つまり栄養の補給を辛抱強く続けることです。
 全く食べられない場合(または、ほんの少しは食べられてもほとんど食べられない場合)、栄養は胃にチューブを入れて流し込むか、中心静脈栄養といって首(正確には鎖骨下)から点滴を入れるしかありません。メールには「外科に入院中は首からカロリーの高い点滴をしていましたが、現在は精神科なのでそれはできないということなのです」と書かれていますが、これはやや不可解です。同じ病院内であれば、外科医が精神科の病棟に来て、中心静脈栄養を行うのが普通です。また、この技術はそれほど高度とは言えないので、精神科医が自ら行うこともあります。
 いずれにせよ、胃のチューブか中心静脈栄養で、栄養を補給するのが先決だと思います。

なお、鎮痛剤が効かない痛みに対しては、抗うつ薬が驚くほど効くことがあります。たとえば【0643】をご参照ください。いま入院されているのが精神科ということですので、痛みの対策として抗うつ薬は処方されているか、少なくとも考慮されているとは思いますが・・・。


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