精神科Q&A

【0038】 薬を拒絶する傾向があるのですが


Q: 心の問題を抱えた知人が御医者様よりお薬を頂いたのですが、薬を拒絶する傾向があります。どのように接すればよろしいでしょうか?  

林: その方の「心の問題」が、どのようなものであるかが最初のポイントです。問題の種類によって、薬が必要ない場合もあれば、薬が絶対に必要な場合もあります。必要ない場合であれば、(それでも薬を処方されたということは、薬の効果は期待できるケースとは思いますが)、あえて薬を飲むことをすすめるよりも、別の角度から接するべきでしょう。

薬が絶対に必要なのに、本人が薬を拒絶する場合が最大の問題です。理由はいくつか考えられます。ひとつは、薬の副作用がとてもつらかった経験がある場合です。また、副作用の経験はなくても、間違った知識のために副作用を恐れていることもあります。こういうケースでは、薬についての正しい知識を伝えることが第一です。実際に副作用がつらかったという経験があるとしても、薬の種類はたくさんありますから、その人に合う薬が必ずあると思います。

もうひとつは、本人が病気だという自覚がない場合です。 こういうケースは非常に難しいのですが、ひとつの方法は、その人の症状の中で、何かひとつでもその人自身がつらいと感じているものがあれば、それに対する治療を中心とする形で薬を出してもらうことです。つまり、はたから見て一番問題である症状と、本人がつらいと感じている症状は違っていることがあるので、あくまでも本人の自覚症状に対する形での薬物治療を行うということです。

 

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