精神科Q&A

【0204】 ジプレキサで死亡例が出たと新聞で読んだのですが


Q: 新しい抗精神病薬のジプレキサという薬の副作用の高血糖で亡くなった方がいると新聞(平成14年4月)で読みました。いくら薬には副作用が必ずあるといっても、死亡するような副作用がある薬がなぜ発売中止にならないのでしょうか。かえって他の薬に対するいわれのない恐怖心を招くと思うのですが。

: 結論から申し上げますと、ジプレキサの副作用として高血糖があることは以前から常識として知られていたことで、死亡されてしまった方が出てしまったのは、その副作用へへの対応が適切でなかったためだと私は思います。極端に言えば、薬を飲んだ途端に激しい副作用が出て重症になる、あるいは死亡するような薬は到底使えませんが、対策がある副作用に対してその対策を怠ったために重症化・死亡した場合は、薬がよくないとは言えないと思います。
 平成14年に新聞に載ったとされる(私は新聞は読まないので、載ったとされるとしか言えませんが)実例については、すぐにその詳細(ケースレポート)が製薬会社から医師に配られました。私がそれを読んだ限りでは、もともと糖尿病の人にこの薬が投与されていたり、高血糖になったことが血液検査でわかっているのに適切な処置をしなかったために、死亡という最悪の結果になったことがみてとれます。処置が不適切だったことの責任がどこにあるのか、そこまではケースレポートからは読み取れませんが、少なくとももっとやりようはあったと思います。この事例だけでジプレキサを悪い薬と決め付けるのは不当だと思います。
 なお、今後同じようなことが起こらないようにするためには、糖尿病の人はジプレキサを飲まないことがひとつ、もうひとつは、ジプレキサを飲んでいるときは定期的に血糖値の測定を行うことが重要です。


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