精神科Q&A

【0194】 パニック障害と思われる義母への対応は? 


Q:  76歳の義母は、エレベーターのないマンションの4階に独り住まいをしております。特に大病をしたこともなく、健康面でも知的にも若いと思いますが、ここ数年少し健康面に不安を感じ始めたようです。
 時々血圧が高く頭痛がしたり、眠れなかったり、夜中に動悸がしたりということがあるうえ、これが発作のようになることがあります。(激しい動悸や息ぎれ、胸の苦しさなど) 夜だと心配になり救急車で病院へ行ったことも何度かあります。が、いつも特段の異状はみられないとのことで、点滴くらいの処置で帰されます。心臓の検査も受けましたが異常ないそうで、「精神的なもの」と言われるそうです。私はこれは「パニック発作」なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 私からそれとなく精神科または心療内科の受診をすすめてみたのですが、気乗りしない様子です。ひとつは、主治医(60歳くらいの内科医師)に相談したところ、「精神的なもので、一人暮らしがよくない。それにあなたのような性格のひとは精神科で病名をつけられることでなおさら病気になってしまっていい方に作用しないから精神科の受診は勧めない」というようなことを言われたそうで、「あの先生に逆らうと恐いのよ」とのこと。ちなみにこの医師はいわゆる家父長的なタイプです。もうひとつは、やはり精神科ということへの抵抗感(ハッキリとは言いませんが)だと思います。現在この主治医からは「血流をよくする薬」「安定剤」「睡眠薬」(義母の言葉)などを処方されているそうです。
 義母は一人暮らしということもあり、普段から健康にはかなり注意を払っており、体調が悪いとマメに医者に行き、納得するまで検査をしてもらう人です。今の状態に関しては「どこも悪くない」ということで少し安堵している面と、検査が足りないのではないかと考えている面(心筋梗塞などを恐れています)、「精神的なもの」と言われるので「もっと気楽に暮らすようにしよう」と思っている面とが混ざっているように思われます。
 義母は階段がここ数年負担のようで(特に上り)、早く上ると動悸がするのが恐いといって、非常にゆっくり上るようにしています。体調を崩した時は、「あの時ちょっと早く上りすぎた」と言うことが多いです。部屋で過ごすことが好きな人なので、外出できなくてうつうつとしているわけではありませんが、思うように出られないことを悔しくは思っているようです。
 私から先生に質問/御相談したいことは以下の点です。
(a)義母は精神科/心療内科で診察・治療を受けた方がよいのでしょうか。
(b)もしそうだとしたら今の内科主治医との関係はどのように保ったらよいのでしょうか。
(c)内科主治医のいうように一人暮らしがよくないのなら、われわれ夫婦と同居することで状況が改善されるのでしょうか。またはもっと低い1階か2階に移ることは意味があるでしょうか。

: 症状としてはパニック発作だと思われますので、一般的な答えとしては精神科で治療を受けるべき、ということになりますが、お義母様の場合はどうするべきか難しいところだと思います。というのは、精神科の治療では他の科以上に信頼関係が重要ですので、今の内科の主治医以上に信頼できる精神科の先生に診てもらえるかどうかが最大の問題です。お義母様とこの内科の先生との関係について詳しくはわかりかねますが、長年診て頂いてきたということであれば、この先生に従う方が良い結果になるかもしれません。したがいまして、信頼できる精神科の先生が近くにおられるかどうかによって、判断は変わってくると思います。(c)に関しては、診てもらうと決めた先生に相談されるのがベストだと思います。 



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