精神科Q&A

【0193】 自律神経失調症と診断された弟のアルコール依存について


Q: 30代前半の弟が自律神経失調症と診断され、治療中です。以前にも1ヶ月の休職をしましたが完治にいたらず、その後、医者を替え、無期限の休職に入り、まもなく2年になります。投薬とカウンセリングの治療を受けているそうですが、弟と同居している両親には「かえって悪くなっているように見える」ようです。
 実はこの弟、病気になる前からたいそうな酒飲みで、二十歳の頃から今にいたるまで毎日ビールで数リットル(500ml缶を少ない時で6缶)、よほど体調が悪くない限り飲まないことは滅多になく、飲み会など口実があればへべれけになるまで飲み、素面のときでも手がふるえている状況です。
 自律神経失調症と診断されたのは、微熱と倦怠感、朝起きられないなどで、原因となる内臓疾患等はないことからのようですが、弟は、自分の主治医には自分の飲酒状況について話をしてはいないようです。
 先生のページでは、自律神経失調症にはほんとうの病名がつくはず、とありましたが、これがアルコール依存症と思ってよいでしょうか。自律神経失調症としての治療を続けることに意味はあるのでしょうか? 

: 自律神経失調症としての治療を続けても無駄です。アルコール依存症の治療をするべきです。「素面の時でも手が震えている」というのは、アルコール離脱症状ですので、もうかなり前から完全にアルコール依存症になっていると考えていいでしょう。アルコール依存症であれば、様々な自律神経症状が見られても当然です。まず今の主治医の先生にアルコールの問題のことを報告するべきでしょう。それをせずに自律神経失調症の治療をしても何の意味はありません。

 

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