精神科Q&A

【0185】統合失調症(精神分裂病)が良くなってから注意することは何でしょうか


Q: 26歳、男です。統合失調症(精神分裂病)で治療中ですが、現在は通院して薬を飲んでいて、症状もおさまり、現実を直視できるようになりました。これからはどのようにして人と接していけばよいのでしょうか。また社会復帰していくためにはどういうことに注意していけばいいのでしょうか。


: 今後の人との接し方などは、あなたの状態によって違ってきます。精神分裂病(統合失調症)は、医学部講堂にも書きましたように、経過は様々です。いったんよくなると、あとは健康な人とほとんど何の変わりもない人もいます(たとえば、【0468】の方)。対人関係に微妙な問題がある人もいます。ある一定の症状がなかなか消えない人もいます。
 したがいまして、いったん良くなった後の注意点は、患者さんによってかなり違いますので、直接診ている医師でないと適切なアドバイスは難しいものです。いま診て頂いている先生に相談されることをお勧めします。
 ただし、どの人にも共通する注意点は、再発に十分気をつけるということです。そのためには、服薬を続けることが必要です。今後安定した状態が続きますと、薬は更に減り、もしかすると止めてもいいのではないかと思うことが出てくるかもしれません。その時にどうするかは非常に難しく、決して自分だけでは判断しないことが大切です。
 また、今後何年かのうちには、再発の徴候が出てくるかもしれません。その時には早目に医師に相談する必要があります。まだ大丈夫だろうと思って放置していると、どんどん悪くなることもよくあります。
 再発の徴候としてよくあるのは以下の症状です:
睡眠障害
イライラ
集中困難
緊張感の増強
興味の減退
抑うつ
 こう書くと抽象的に思えるかもしれませんが、実際に再発を経験した統合失調症(精神分裂病)の人にお聞きすると、どうもそれまでとは違う感じがするのでわかることも多いようです。また、ご家族から見てどうかということも大切です(たとえば、自分ではそれなりの理由があってイライラしていると思っていても、家族から見ると大した理由もないのにイライラしているなど)。
 統合失調症(精神分裂病)がいったんかなり良くなった場合、再発さえ十分注意すれば、あとは全く普通の生活が出来ることも多いものです。上のような症状が出た時には、早目に医師に相談してください。 


精神科Q&Aに戻る

ホームページに戻る