精神科Q&A
【0172】 脳腫瘍の手術後の異常行動
Q: ２〜３ヶ月前に母が倒れて入院しました、検査の結果脳腫瘍だったのですが良性で手術もまだしなくて良いと言った結果でした。しかしその辺りから母は全く家事をしなくなり、朝も５時位に起きて部屋中の電気をつけ１日中家の階段を上り下りしています、全く座ろうとせず食べ飲みも立ってします。今は心療内科に掛かっているんですが、通院や服薬を拒否する事も多々あります。ここ最近は夜に飲む睡眠薬も１錠では眠らず２錠になってしまいました。また食欲が凄く目に付く物はなんでも食べてしまうし、特に甘い物は貪る勢いで食べてしまうし、人の食べてる物や飲んでる物もさかんに欲しがります。今はちなみに母の言う事は否定せず話は聞いてあげるようにしていますが、このまま様子を見ていていいのでしょうか。
林: 脳腫瘍が良性というのは、転移などのおそれがないということですが、だからといって放置してよいとは限りません。脳腫瘍の出来た場所によっては、特異な症状が出ることもあります。メールには場所の記載がありませんので何とも言えませんが、前頭葉や脳の深い部分に出来た場合などには、行動の抑制が効かなくなることもあり得ます。食欲の亢進もあり得ると思います。脳腫瘍を診断してもらった病院でよく相談されることが必要です。診断としてはおそらく器質性精神障害ということになると思います。せん妄の要素もあるかもしれません。いずれにせよこれは心療内科ではちょっと対応できない症状です。