精神科Q&A

【0122】抗うつ剤治療初期に一時的に抑うつが強くなることはありますか


Q: 41歳男性です。うつ病のためアモキサンで治療を始めましたが、最初の1週間は、むしろ抑うつ感、焦燥感などが強くなりました。その後アモキサンの増量および他剤の追加などを行った2週目から急速に不安がとれてきました。こういうことはあるのでしょうか。また、抗うつ薬によるレセプター感受性上昇説を考えると、上記1週目は抗うつ剤によるモノアミンの増加とレセプター過感受性の未改善の時期であったと考えられますか?

林: 抗うつ薬を飲み始めてからの効果が出るまでの期間(1, 2週間が普通ですが、もっと長くなることもあります) は、副作用だけが出るのが普通ですが、まれには一時的に焦燥感などが強まることもあります。その中にはアカシジアも含まれますが、抗うつ薬によるアカシジアは稀で、結局のところ焦燥感が出る大部分の場合のメカニズムは不明です。ご指摘のようなレセプターとの関係は、理論的には考えられることで、将来的には証明されるかもしれませんが、今のところは推測の域を出ません。したがって、「一時的には症状が悪くなったように感じることもある」ということを認識しておくにとどめておくべきだと思います。


精神科Q&Aに戻る

ホームページに戻る