精神科Q&A

 医療機関の広告


医療法69条には、次のように定められています。

 

医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関しては、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も左に掲げる事項を除くほか、これを広告してはならない。

 

 

 

 

ここでいう「左に掲げる事項」つまり、広告できる項目は、次の通り(医療法第69条2項)です。

 
  1. 医師・歯科医師である旨

  2. 診療科名

  3. 病院または診療所の名称、電話番号および所在地

  4. 診療所に従事する医師・歯科医師の氏名

  5. 診療日時

  6. 入院設備の有無

  7. その他都道府県知事の許可を受けた事項

 

なお、この場合にも、医師の技能・治療方法、経歴、学位に関する事項については広告が禁止されています。ということは事実上「広告」はできないことになっていると言っていいでしょう。(この法律は2001年3月に一部改正されました)

病院の広告の看板は駅などでたくさん見かけますが、どれも味も素っ気もない書き方になっているのは、この法律があるためです。広告を自由に認めるとプロフェッショナルとしての品位を低下させること、自由競争の弊害によって患者の利益を侵害するおそれがあることなどがこの法律の趣旨ですが、逆に患者さんが病院を選ぶために必要な情報が得られなくなっているというマイナスも表面化しています。かえっていい加減な情報があふれてしまっているということもあります。

広告・宣伝は、それを受け取る側が、広告・宣伝であることを認識していれば、弊害は最小限になるものです。一見中立な立場からに見える紹介のほうがかえって弊害が大きいと私は思います。

 

参考書 

医療行為と法[新版補正版]  大谷 實 著  弘文堂法学選書11 弘文堂 1990年

 

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