【4234】このこだわりは病気でしょうか

Q: 20代女性です
私は精神的な病気なのかなと思う時が時々あります
思いはじめたのは小学生の頃からです
下校中、足を踏む所にすごいこだわりを感じていました
歩いていて、踏み方、踏む位置が気に入らなければまた同じ場所に戻って踏み直したりしていました
それで下校するのに本来の2倍時間がかかったりしていました
他にも、印象残った言葉を何度も何度も同じ言葉を頭の中で反復することがあります
これは短い物で昨日から、長い物で10年も頭で反復させています
反復される言葉はたくさんありますが、いつのまにか頭から消えている場合もありますので増え続けているわけではありません
後は、自分が立てていた一日の計画が少しでも他人に阻害されるような事があれば、パニックになり号泣し、その日はもう何も出来なくなります
今思いつく事で私は精神的な病気なのかなと感じることは以上です
しかし、ただの神経質な人で、精神的な病気ではないのかなと思う事もあります
それは、私が普通に社会に溶け込んでいるからです
今私は大学生です
友達も普通にいますし、バイトもします
私が想像する精神的な病気の人は(失礼ですが)もっと社会から孤立してしまうような人たちです
たまに精神的な病気の人をとりあげているドキュメンタリー番組を見ますが、自分はここまでではないと感じます
他にも私は精神的な病気ではなく、ただの神経質な人と感じることがあります
それは私が異常にこだわりを持ったり、パニックになるのは1人でいる時か、もしくは家族に対してだからです
小学校の頃、足の踏み場に強いこだわりを持っていたのは1人で帰る下校中だけです
集団登校では普通にこだわりなく歩いていました
計画を阻害されるとパニックになるのも家族に対してだけです
友達や赤の他人に阻害されてもまた計画を組み直すことができます
このように、自分の強いこだわりに生きづらさを感じているのにも関わらず、こだわりが出る場所が限定的過ぎるので病気とは言えないのではないかと悩んでいます
私は病気なのでしょうか? それとも少し神経質な普通の人でしょうか?

 

林: 平均的な人よりこだわりが強いことは確かでしょう。しかし日常生活にさしたる支障はなく、また、ご本人としてもさほど苦しんでいないという状況からは、このこだわりは病気のレベルではないという判断になります。
但し、

私は病気なのでしょうか? それとも少し神経質な普通の人でしょうか?

この問いに対して、「病気ではない」と明言することはできません。今後、このこだわりが病気のレベルに発展すれば、これまでのこだわりはまだ病気が軽い段階の症状だった、という判断になるからです。この場合の「病気」とは強迫性障害です。
ここで「このこだわりが病気のレベルに発展すれば」と言ったのは、純粋に仮定の話です。この【4234】の内容から、将来、病気のレベルに発展するかどうかは予測できません。したがって現時点で言えることは、「今のところ病気のレベルではない。しかしこれが病気の軽い症状の現れという可能性は否定はできない。将来病気のレベルに発展するか否かは不明」ということになります。

(2021.2.5.)

05. 2月 2021 by Hayashi
カテゴリー: 強迫性障害, 精神科Q&A