【3945】良い幻聴も消さないといけませんか

Q: 20代女性です。統合失調症と診断されています。
今までに3回入院しました。
病院にかかる前は、怖い人に探し回られて殺されそうになったり、隔離されて手足が切られて生き殺しにされるような感覚があったりと、今思うと怖い幻聴と怖い感覚ばかりでした。他にも芸能人とテレパシーで繋がっている妄想や、自分は天気を操る凄い人間だというおかしな妄想もたくさんありました。
寝る暇もなく幻聴が聞こえていて昼夜問わず外を逃げ回っている時に近所の警察の方に保護されて、措置入院になった病院の治療のおかげで、病識を持つことができました。
それから何度か病院は変えましたが服薬治療を3年ほど続けていました。
一般就労も出来ていたのですが、仕事が忙しくなり病院に行く暇が持てず、薬をやめました。
すると頭の回転が早くなり体も軽くなったような感じで逆に調子が良くなったように感じたので、そのまま治療を自己中断したら再発して、3度目の入院となりました。
再発になり始めは、金属がとてつもなく恐ろしいものに思えて動けなくなったり、文字が文字に思えなくなったりなど、漠然とした不安感が強かったのですが、病状が進行して聞こえてきた幻聴はとても優しいものなのです。そのことで困っています。
具体的に言うと、あなた可愛いね、と自分の腕にささやかれたり、あなたは頑張って偉いねと足が褒めてくれたりします。幻聴と幻聴じゃない声の区別もつきます。
わたしの趣味は手芸なのですが、あなたは手芸をやるために生まれてきたのだからと幻聴がささやきます。
わたしは服作りの学校にも行っていて病気にならなかったなら仕事にしたいくらいだったので、そう言われるとすごく嬉しいのです。今の仕事は辞めて手芸を頑張ったら?とも言われますが、理性的に考えて辞めたら食べていけないのですぐに辞めるつもりはありません。
病識が持てる前の怖い幻聴が薬で消えていったときは、現実ではないのだと自覚したショックもありましたがホッとした気持ちもありました。ですが今の幻聴は消えて欲しくありません。
不安感がまた強く出ると生活できないので、病院には通おうと思いますが、病院の先生に、今の幻聴は優しいからある程度聞こえても大丈夫だと言っても、あなたはまだ病気をわかっていない、治療の大切さを理解してとなだめるように言われます。
一度薬を自己中断したからだと思いますが。
まだ幻聴が聞こえるなら、とシクレストから前飲んでいたエビリファイのデポ剤に変えるように勧められていますが、エビリファイの副作用がとても嫌なので断っています。
こういう、良い幻聴ばかり聞こえる例ってありますか?
わたしのように病識があり、幻聴に困っていない場合でも、完全に幻聴を消さないと何かまずいものなのでしょうか?

 

林: この経過はおそらく、統合失調症が徐々に悪化しつつあるプロセスだと思います。このままですと慢性化し、もともと持っていた本来の能力が発揮できない状態に陥るおそれがあります。幻聴を消す・消さないという観点ではなく、病気をよくするという観点で治療を受け続けてください。主治医の先生のおっしゃる通りの薬物療法を続けることをお勧めします。

(2019.12.5.)

05. 12月 2019 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症