【3757】法律が変わって本人以外に処方ができなくなったと言われました

Q: 統合失調症の息子(30代)のことで質問いたします。私は60代の父親です。息子は5年前に退院し6ケ月通院した後、通院拒否となりました。当時は医師からリスパ液剤2包を処方いただいており、【1813】薬をやめて妄想が再発した母に、また治療を受けさせたいのですがの事例のように、私たち家族が本人には秘密で薬を飲ませることで、ずっと良い状態が続いていたのですが(普通の人とまったく変わらない状態でした。他人からみたら精神を病んでいることは決してわからなかったと思います)、あるとき医師から急に、法律がかわったのでこれからは本人以外には処方できませんと言われ、7ヶ月前から服用していません。その結果、妄想、なりすましの症状が入院前と同じようになってきました。今は強制入院を当初の病院とすすめています。本人の改善意欲がなく、こっそりと本人に投薬しても治療にならないとの医師の意見でしょうが、長年息子の様子を見てきた親の私としては、リスパダール液剤で治ると信じています。リスパダールさえ飲ませれば、入院しなくても治ると思います。本当に法律は本人以外への処方を完全に禁止しているのでしょうか。

 

林: 「法律は本人以外への処方を完全に禁止している」という事実はありません。家族等の代理受診で薬を処方するのは法律で認められており、ごく普通に行われていることです。

法律はともかくとして、

家族が本人には秘密で薬を飲ませる

ということが好ましい行為でないことは確かです。
しかしその一方で、

家族が本人には秘密で薬を飲ませることで、ずっと良い状態が続いていた

というケースが実際には一定数存在するというのもまた現実です。

(2018.12.5.)

05. 12月 2018 by Hayashi
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