【3711】あらかじめ擬態うつ病と分かっていても受診してよいものでしょうか

Q: 20代、女性です。 本日質問させていただきたいのは、件名の通りです。
まずこれまでの経過について記します。
私は昨年の3月に医療系の専門学校を卒業し、その後医療従事者として総合病院にて働いております。職場は私と同じ職種の者が少なく、それまで仕事ができる先輩の女性一人で回していました。そのため入職直後より多忙であり、私の能力不足も手伝って仕事が上手くこなせず、昨年一年間で午後10時より前に帰れたことは数回しかありませんでした。自分なりに努力はしていますが、先輩が近くで(わざとではないと信じたいのですが)私の悪口を言っているのを聞いてしまったことが数回あり、落ち込む毎日でした。

そんな中、私に異変が現れてきました。朝なかなか起きられず、顔も洗わずすっぴんで出かけるようになる。仕事に行くのが苦しく、動悸がひどい。駅から5分の道のりに10分以上かかる。ミスが日に日に増えていく。仕事中にトイレにこもって30分泣く。更には同僚や患者さんの前で泣くようになる。自殺を本気で考えるようになる。

これだけだとうつ病らしく聞こえますが、私の場合は楽しいことは楽しめるのです。予定がない日は寝てばかりいますし、行く前まではとても億劫なのですが、断れない約束があればなんとか行き、行ってしまえばそれなりに楽しむことができます。
食事の量に変化はありませんし、睡眠に関しては人より寝ていると思います。

精神科の受診を考えはじめましたが、うつ病の診断基準にはっきりと当てはまらないため悩んでいたところ、こちらのホームページにたどり着きました。そして擬態うつ病というものを知り、自分は恐らくそれに当てはまることに気付きました。

このようにあらかじめ擬態うつ病だと分かっている場合でも精神科を受診してよいものでしょうか。それとも、薬は効果がないので受診の意味はない、といったことがあるでしょうか。
お忙しい中恐れ入りますが、ご回答をいただけましたら幸いです。

 

林: あなたはうつ病の可能性が高いと思います。精神科を受診してください。

これだけだとうつ病らしく聞こえますが、私の場合は楽しいことは楽しめるのです。予定がない日は寝てばかりいますし、行く前まではとても億劫なのですが、断れない約束があればなんとか行き、行ってしまえばそれなりに楽しむことができます。

確かに、楽しいことは楽しめるかどうかは、うつ病か否かを判断するうえで重要な根拠になりますが、「行く前まではとても億劫なのですが、断れない約束があればなんとか行き、行ってしまえばそれなりに楽しむことができます」という状態は、うつ病でもとても重度でなければ十分にあり得ます。

食事の量に変化はありませんし、睡眠に関しては人より寝ていると思います。

これらについても、食欲低下や過食、および、不眠や過眠は、うつ病の症状として重要ですが、それらがないからといってうつ病の診断が否定できるものではありません。

また、仮に擬態うつ病であっても、だから精神科を受診しても意味がないということにはなりません。擬態うつ病の中の一部、すなわち、詐病や単なる甘えの場合は意味がないとも言えますが、それ以外の擬態うつ病では十分に意味があります。

それはともかく、この【3711】が擬態うつ病である可能性は非常に低く、うつ病である可能性のほうがはるかに高いです。精神科を受診してください。治療を受ければ今の苦しみは軽くなっていきます。

(2018.8.5.)

05. 8月 2018 by Hayashi
カテゴリー: うつ病, 擬態うつ病, 精神科Q&A タグ: |