【3535】無意識の独り言を幻聴だと勘違いしていた

Q: 20代男性です。統合失調症と診断されて2年になります。ジプレキサザイディス10mgを毎日服用していますがこの間まで幻聴は収まりませんでした。しかし、この間、息を止めてみたところ幻聴が収まり、口を閉じて、鼻で呼吸することにより幻聴はなくなるということを発見しました。幻聴が聞こえているとき、リラックスして半開きになった口の近くにボイスレコーダーを押し当てて録音してみたところ、自分の考えに合わせて不規則に変化する声に聞こえる息が録音されました。どうやら、自分の口の無意識の動きによって発生する独り言を他人が言っているものだと勘違いしていたようです。主治医にこのことを話したいと思っているのですが、どのように話したらよいでしょうか。

 

林: 大変貴重な経験をされたと思います。主治医の先生にはありのままにお話しください。
統合失調症の症状としての幻聴では、この【3535】のような現象が見られることがあります。但しご本人がそれに気づくことはきわめて稀です。林の奥 幻聴か独語か もご参照ください。
但し、この方法によって幻聴が止まったからといって、薬による治療が不要ということにはなりませんので、通院治療は今までどおりきちんと続けてください。

(2017.9.5.)

05. 9月 2017 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症