【4526】健康な人には本当に幻聴や妄想がないのですか

Q: 20代女性です。
幻聴や妄想は統合失調症の代表的な症状ですが、健康な人にはこのような被害妄想や突然殺されるのではないかという恐怖で動けなくなることがないのですか?また私は、被害妄想や不安はあっても幻聴はこれまでないのですが医師によるとあるようです。これは本当と言い切れるのですか?実際には私も健康な人なのではないかという気がします。ただ、病院にかかってるかかかってないかという違いだけで、いま健康とされてる人も病院にかかれば統合失調症と診断され病人になるのでは?つまり私は病院にかかっているから統合失調症という位置付けをされているだけで、実際には健康なのではないですか?その可能性はありますよね。どう思われますか?

 

林: あなたは統合失調症だと思います。
「健康な人にはこういう症状はないのか、それは証明できるのか」「私が病気ではなく健康である可能性はないのか」「私が病気だと言い切れるのか」などは、自分が病気であることをどうしても認めたくない人から時々いただく質問です。こうした質問に限らず、100%厳密な正確さを追求していけば、最後には、「病気でない可能性は残る」という結論になるのは当然で、そのような厳密さは理論的には意味があっても現実的には意味がありません。

あなたの具体的な症状がこのメールには書かれていないので、この回答の冒頭の「あなたは統合失調症だと思います」は、もちろんかなりラフな推測にすぎません。しかし、被害妄想や不安があること、医師からは幻聴もあると言われていること(幻聴の有無は本人にいちばんよくわかるはず、とお考えかもしれませんが、特に統合失調症では、決してそうではありません。統合失調症当事者の症状論に記されている通りです)、そしてこのメールの質問内容からみて、あなたが統合失調症であり、そしてご自分が統合失調症であることを認めなくないと考えていらっしゃることは間違いないと思います。必ず治療を続けてください。

(2022.7.5.)

05. 7月 2022 by Hayashi
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